卒業生とその進路

アナログ受動素子の非線形性を利用する物理レザバーの提案と評価


任 丞九

2018 年度 卒 /学士(工学)

卒業研究の概要

レザバーコンピューティングは、非線形特性を用いた回帰動的システムを使用し、時系列の問題が処理できる機械学習方法であり、システム制御又は識別、ビッグデータや動的システムの予測、適応フィルタリング、ノイズ低減、視聴覚の認識・処理など、現実世界の様々な問題に適用できる。レザバーコンピューティングに関する多くの研究から時系列のタスクを処理する実例ができ、非線形の物理システムで構成したレザバーを使用する方が効率的であることが知られてきた。従って、レザバーを物理システムで実現することは、幅広い分野でのニーズになり、エレクトロニクスやフォトニクスなどの様々な分野の研究者にとって興味深いものである。しかし、ほとんどの研究はシミュレーションやFPGAまででのレザバーを試み、アナログ電気回路を使って物理レザバーを評価するところまで研究が進化していない。ここで、我々はアナログ電気回路を用いて、世界が驚くくらい優れる物理レザバーを完成するために研究を始めた。このことから、コンピュータでのプログラミングだけでなく、アナログ電気回路などで実生活に適応できるフィジカルレザバーの創生に向けてチャレンジしなければならないと判断した。このため、このレザバーコンピューティングにて、本研究の目的は非線形応答および大きな自由度からのダイナミクス特性を持つ物理システムをフィジカルレザバーとし、シミュレーションでこのモデルを検証することである。アナログ電気回路を用いて制限された条件で物理レザバーを構成した場合、高い予測パフォーマンスを示すことを明らかにした。