CNT/分子ネットワークにおける物理リザーバ特性の解析とその性能評価法に関する研究
五十嵐 健人
2022 年度 卒 /修士(情報科学)
修士論文の概要
本研究は、時系列データを扱う機械学習モデルとして近年注目されているReservoir Computingの物理実装に関するものである。本研究ではCNT/分子ネットワークによってリザーバは構成されており、このネットワークは先行研究にてリザーバへの利用可能性が示されている。このことを踏まえ大きく2つの段階のもと進行した。1つ目は分子リザーバの可能性としてシミュレーション上で最大性能を測定し、関連するパラメータを同定することである。先行研究による実験値等の知見を利用したシミュレータを構築し、その際に設定したパラメータを適宜変更することによってリザーバ性能の向上を行った。またその際に得られた情報を実験の中へと反映させるための考察を行った。2つ目は実験環境において試料作成を行い、シミュレーションで得られた知見を反映させることでの性能評価を行うことである。試料の濃度や入出力電極などを変更を行うことで、性能の変化が見られた。しかしより性能を引き出すことを目的に環境の改善を行い、電流を微小にすることを行った。現状で測定できている単チャンネル計測では、非線型性が大きくまた多様な電流応答が得られた。この結果は今後実装する多チャンネル計測に大きな期待が持てる結果となった。
学術論文
受賞
国内学会
|