卒業生とその進路

自由エネルギー原理に基づく予測符号化ネットワークのアナログ電子回路実装に関する研究


國見 峻史

2024 年度 卒 /修士(情報科学)

修士論文の概要

本研究では、脳の情報処理を模倣する新しいニューロモルフィックデバイスの実現を目指し、自由エネルギー原理を基盤とした予測符号化ネットワークのアナログ回路設計を提案する。 従来の人工知能は大規模データと高い消費電力を必要とする一方、ニューロモルフィックコンピューティングは低消費電力かつ汎用的な処理が可能な新たな脳型ハードウェアを実現する可能性を秘めている。 しかし、ニューロンやシナプスといったミクロレベルから脳を再現する、従来のニューロモルフィックコンピューティングのボトムアップ的なアプローチでは、脳の精密な模倣に対する技術的課題が多い。 そこで、本研究では、脳の情報処理をトップダウン的に理解し模倣するため、脳の大統一原理である自由エネルギー原理に着目した。 自由エネルギー原理に基づく予測符号化ネットワークの構造及び計算アルゴリズムを数理的に記述したのち、本ネットワークを具体化するためのアナログ電子回路設計を提案する。 ニューロモルフィックコンピューティング分野において、デジタル技術の優位性が高まる中、アナログ回路を採用した理由は、比較的脳らしく生物学的妥当性の高い情報処理が可能であることにある。 評価では、数値シミュレーションを通じて、予測符号化ネットワークの性能を検証し、回路シミュレーションにより、予測符号化ネットワークのアナログ回路の有効性を示す。