アナログメモリを用いたイオン飛行時間計測向けSOIイメージセンサ
羅 晳珍
2017 年度 卒 /修士(情報科学)
修士論文の概要
現在、質量分析を用いて質量ごとに分離された様々な物質の空間分布を同時に測定するイメージング質量分析(imaging mass spectrometry; IMS)が開発されている。これにより実用的な投影型イメージング質量分析が可能で迅速で高解像度である生体分子イメージングへの道が開かれる。バイオ・医療分野では病理研究や迅速な病理診断、放射性物質の体内動態の測定などへの応用が期待できる。さらに、医薬品業界では新薬開発の高効率化が期待でき、工業分野でも新たなアプローチでの有機電子デバイス開発などが可能になると予想される。
現状では時間分解能1 µsのイメージセンサが開発されている。しかし、現状の状態では表現できるイオンの範囲が狭いので、高速な時間分解能を持ったセンサが必要である。本研究ではSOIプロセスを利用して全ピクセルが時間分解能1 nsで動作可能なセンサを設計することを目標とした。これによって生体内分子の迅速なイメージングが可能になると期待されている。
本論文では、4 Trピクセルを応用した40 µm × 40 µm のピクセル回路を設計し、動作の流れについて述べる。その後、ピクセルのアナログ部を中心に説明を行う。最後に設計した回路の評価、測定結果また考察述べた後、まとめとする。
国内学会
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